エアコンの電気代は高いイメージがありますが、冷暖房効率と消費電力を加味するとかなりコスパに優れる家電です。
エアコンは照明や冷蔵庫などとは違い夏冬のみに使用することが多いため、春秋の電気代にエアコン分の電気代がそのまま上乗せされるため余計に高く感じてしまいます。
性能も毎年良くなっていることから最新の機種になるほど電気代は安くなります。
エアコン自体はコスパに優れるとは言っても近年の燃料費高騰の影響でエアコンの電気代は家計の大きな負担となっています。
エアコンの電気代を節約する方法として設定温度を1度変える方法があります。
実際、設定温度を1度上げると消費電力は10〜13%抑えられると言われています。
この記事ではエアコンの電気代を少しでも安くするために設定温度を1℃変えることと、それでも無理なく快適に過ごす方法を紹介します。
エアコンの1ヶ月の電気代はいくらか?
エアコンをお得に使う上でまずはエアコンの電気代がどれくらいかかるかを知っておくことが重要です。
家電を使用してかかる電気代は以下の式で求めることができます。
消費電力×使用時間×電気代の単価(31円)
消費電力は最大消費電力、最小消費電力、期間消費電力に分けられており、エアコンの様に長時間使用する家電は期間消費電力で電気代を計算します。
エアコンの電気代を計算する際に期間消費電力を使用する理由は、エアコンは使用している間は常に最大消費電力を使用する訳では無いためです。
期間消費電力は特定の期間に消費電力のおおよそ平均値となっているためこれに電気代の単価をかけることで期間内での電気代を算出できます。
期間消費電力×電気代の単価(31円)
エアコンの消費電力はエアコンの畳数、設定温度、外気温との差でも変化するため大まかな金額しか出すことができませんが、期間消費電力を利用して1ヶ月にかかる電気代の概算を行いました。
今回は、ダイキンのうるさらXシリーズの期間消費電力を参考にしてエアコンの畳数ごとに電気代を算出しています。
期間消費電力は約4ヶ月間に使用する電力で設定温度27℃、1日18時間使用することを前提として算出されたものになります。
型番 | 畳数 | 期間消費電力 | 電気料金 |
---|---|---|---|
S223ATRS | 6畳 | 188kWh | 5,828円 |
S253ATRS | 8畳 | 211kWh | 6,541円 |
S403ATRP | 14畳 | 305kWh | 9,455円 |
S563ATRP | 18畳 | 493kWh | 15,283円 |
上記の表から1ヶ月にかかるおおよそのエアコンの電気代を算出しました。
1ヶ月にかかる電気代 | |
---|---|
6畳用のエアコン | 1,457円 |
8畳用のエアコン | 1,636円 |
14畳用のエアコン | 2,364円 |
18畳用のエアコン | 3,821円 |
ダイキンのうるさらXシリーズは省エネ性能が非常に高いため、省エネ性能が低い機種を使用している場合はこれらの金額よりも高くなると考えましょう。
最上位モデルとスタンダードモデルの消費電力の差は25%程度あります。
もし自宅で使用しているモデルが省エネ能力が低い機種であれば上の表の金額に25%をかけて計算すると大まかな金額となります。
この1ヶ月の電気代は設定温度27℃を前提としているため、温度を下げると更に消費電力は増えていきます。
1月の電気代+25%の計算よりも電気代が大きくかかっている場合はエアコンが経年劣化し買い替えの時期が来ているかもしれません。
最上位モデルとスタンダードモデルの電気代の差は?
今回の趣旨とは若干逸れますが、期間消費電力の計算をしたついでに最上位モデルとスタンダードモデルの電気代の差を自分がエアコンを買い替えするために算出しましたが結果に驚愕したので追記することにしました。
比較機種は上記でも計算を行ったダイキンのRXシリーズうるさらX14畳モデルとスタンダードモデルのVXシリーズ14畳モデルです。
どちらも2023年モデルなので省エネ能力は古いエアコンと比較すると大幅に向上しています。
カタログに掲載されている冷房112日(6月〜9月)、暖房169日(10月下旬〜4月中旬)で期間消費電力を抜粋、電気代を計算しました。
比較結果が下記の表になります。
冷房電気代 | 暖房電気代 | 年間電気代 | |
---|---|---|---|
最上位モデル | 9,455円 | 23,591円 | 33,046円 |
スタンダードモデル | 14,353円 | 33,511円 | 47,864円 |
差額 | 4,898円 | 9,920円 | 14,818円 |
年間の電気代の差が14,818円となり、10年間使用し続けることを考えると電気代の差額は約15万円となります。
初期投資としては価格差がありますが電気代を考慮すると上位モデルの方が全体の金額は安くなることが分かりました。
特に電気代の単価が上がっている昨今では消費電力を考慮したエアコン選びが特に重要ですね。
エアコンの温度を1度上げると消費電力は10〜13%抑えられる
エアコンの1ヶ月の電気代は上記の通りですが、これは室温設定を27℃にし尚且つ外気温が35℃の場合となっています。
仮に27℃から28℃に設定温度を上げた場合、消費電力が10〜13%抑えられると言われています。
18畳のエアコンであれば13%の節電で約500円の節約が可能です。
26℃設定から2℃上げると1,000円の節約になるという訳ではありませんが、設定温度を上げる毎に節電は可能です。
少しでも安くエアコンを使用するのであれば設定温度には注意するべきでしょう。
エアコンの設定温度を上げても涼しく過ごすには?
エアコンの設定温度を1℃上げても快適に過ごすには工夫が必要です。
夏場の室内で快適に過ごすには以下の2つを意識しましょう。
- 室内の温度を下げる
- 体感温度を下げる
エアコンは室内の温度を下げる家電です。
エアコンの設定温度を上げるにはエアコンの冷却効率を上げることと体感温度を下げることを意識して取り組みましょう。
エアコンの効率を上げる方法 | 体感温度を下げる方法 |
---|---|
サーキュレーターを使用する カーテンで日光を遮断する 断熱シートを貼る 雨戸を閉める | 扇風機を使用する 接触冷感素材の寝具やラグ、衣類を使用する |
サーキュレーターを使用する
サーキュレーターは部屋の空気を対流させることで室温を均一化することができます。
エアコンの冷気は吹き出し口付近と床面に偏ります。
冷気が偏ると底冷えする割に部屋全体は涼しくないという状況になります。
また、以下の状態になり自動設定が機能しなくなります。
この状態で部屋全体を涼しくしたいと思うと更に設定温度を下げてしまいがちです。
サーキュレーターで部屋の空気を循環させると冷気の偏りが解消します。
エアコンの設定温度と実際の室温に差がなくなり、求めていた室温にすることが可能となります。
エアコンだけで使用しているよりも部屋の冷却効率が高くなるためエアコンの設定温度を下げやすくなります。
1℃の変更でも電気代が大きく変わるため、サーキュレーターで室温を均一にする効果は非常に大きいです。
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カーテンで日光を遮断する
室温を上げない方法としてカーテンを使用する事も効果的です。
日光によって入ってくる光と赤外線を反射する事で室内に熱がこもらないようにすることが可能です。
日光による熱の約94%は可視光線と赤外線による物で、多くは窓から入って来ます。
特に赤外線は吸収すると物の温度を上げる効果があるため極力反射させる事が重要です。
レースカーテンなどの白色は可視光線と赤外線を反射する作用があるため、窓からの熱の侵入を防ぐことができます。
また、カーテンで室内と窓の間に層を作ることで断熱材の様に室内外の熱が伝わりづらくなる効果も期待できます。
この断熱効果をより高めた遮熱カーテンもオススメです。
断熱シートを窓に貼る
断熱シートは様々なタイプがありますが、メジャーなものとしてはシート内に含まれる空気の層で熱の伝わる速さを遅らせるというものです。
断熱シートを窓に貼る事で屋外の熱が入って来づらくなるだけでなく、室内の冷気が窓から逃げてしまうことも防ぐ事ができます。
また、断熱シートは冬の暖房使用時にもエアコンの効率を上げる効果が期待できるため手軽にエアコンの設定温度を変えることができるようになります。
ただし、断熱シートは接着剤で窓ガラスに貼ることになるため賃貸で使用する場合には現状復帰をし易くする工夫が必要です。
雨戸を閉める
雨戸を閉めることもエアコンの効率を高める効果があります。
雨戸もカーテンと同様に太陽光を反射することができます。
また、窓ガラスと雨戸の空間が空気の層となるため断熱効果も期待できます。
カーテンの空気の層の部分は室内にできるのに対して雨戸の場合は空気の層が室外に出来るため室内に熱がこもりづらいです。
雨戸が無い場合はすだれを使用すると同様の効果が期待できます。
扇風機を使用する
扇風機は涼しく過ごすために使用する季節家電です。
風に直接当たることで体表から熱を逃がすことで涼しくなります。
エアコンと扇風機を併用するとエアコンで室温を下げつつ扇風機で身体の熱を逃がすことで体感できる涼しさを大幅に向上することができます。
エアコンと扇風機は相乗効果も期待できるためエアコンの設定温度を上げても十分に涼しく過ごすことができます。
仮にDCモーターの扇風機を最大風力で1日18時間使用した1ヶ月の電気代は335円となります。
エアコンと併用する場合は風力を下げて使用することが多いのでこの金額よりも大幅に安くできます。
扇風機の欠点は大きな効果を得るにはファンの直径が30cm程度必要なため夏場以外では収納場所に困るという点です。
最近では省スペースというポイントも重視されているため折り畳んで保管できるタイプが販売されています。
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接触冷感素材の寝具やラグ、衣類を使用する
接触冷感素材の寝具やラグ、衣類を使用することでより涼しさを感じることができます。
接触冷感素材は熱の伝わりやすい素材を使用することで触れている所から体の熱を奪うことで冷たさを感じます。
接触冷感素材は長時間冷たさを維持することはできませんが、触れる場所を変えたり素早く冷却できる状況を作るとより効果を高めることができます。
エアコンと併用することで長時間冷たさを感じられる状況を作り出すことが可能となります。
触れている時の冷たさで体感温度を下げることができます。
スマートホーム家電と併用して快適な温度に調整する
もし、自宅にWi-Fi環境がある場合はもっと細かく空調の管理ができます。
以前はエアコンは着けっぱなしが最も電気代が安くなると言われていましたが、最近では1時間以上使用しないのであれば消す方が良いと言われています。
節電を考える上で夜中にはエアコンを消して過ごしている方もいるかと思います。
真夏の日中はエアコンを消すと1時間も経たずに室温が上がってしまいますが、夜中は意外と急激に室温は上がりません。
寝る前にある程度涼しくして以降はエアコンを切って節電することは現実的に可能です。
ところが近年は夜間にも割と室温が上がる日があり、夜中に目が覚めたり、熱中症のリスクもあります。
そこで役立つのがスマートホーム家電です。
スマート温湿度計とスマートリモコンを使用すると室温が一定の温度以上になるとエアコンが自動で作動するように設定ができます。
そのため、予想外の熱帯夜で部屋が暑くなってもエアコンが自動で着くため、夜間はとりあえずエアコンを消して節電することが気軽に可能となります。
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まとめ 電気代を節約するために設定温度を上げるのは有効な手段
電気代を節約するためにエアコンの設定温度を上げる方法は非常に有効な手段です。
特にエアコンを複数台使用する家庭では効果は絶大です。
ただし、単純に設定温度を上げて我慢をするのでは体調を損なう可能性が出てきます。
今回紹介した方法を活用することで無理なく節電を行いましょう。
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